【インタビュー】中西金属工業株式会社 人事総務部 人事グループ 近藤 江里加 様
まず、近藤様のご経歴を教えてください。
2016年に入社して、ちょうど4年になります。元々外資系の会社でSEとして働いた後、1年半くらいアメリカに留学して戻ってきた時に、海外人事と働き方改革やダイバーシティ推進など全社横断系のプロジェクトという領域で当社の求人があって、語学と前職の時に客先常駐で労務管理や現場での働き方改革に取り組んでいた経験を買われて、海外人事未経験で入社しました。
御社では海外人事業務はどのように行われているのでしょうか。
弊社は国内の人事労務、採用、教育研修、海外人事、経営企画的な事も6人の担当者でやらないといけない(※現在は10名)ので、多少お金をかけてもいいからアウトソースできるものはして人事企画を中心にやっていきましょうという方針です。ちょうど私が入社した時に給与計算や赴任帰任の手続きをアウトソースしました。一方で、これまであまり離職がなくて何かを変える必要性を感じなかったのが、あえて変化を起こさなければいけないという時代に突入していて。うちはローカリゼーションを進めようとしているのですが、それに向けたマネジメントの教育とか赴任者のグローバル人材教育などは事業部にお任せで全くやっていなかったので、何ができていなかったのかも含めて現状分析、課題抽出してプロジェクトを発足させてまわすという事を今やっています。
海外人事研究会へのご参加のきっかけを教えてください。
入社した年の2016年から参加しています。当時は前任者から2カ月くらいで海外人事業務を全部引き継いだのですが、わからなかったら誰かに聞くしかなくて、お取引先に「担当変わってよくわかっていないので教えて頂けますか?」と言いながら情報収集していました。とにかく相談相手がいない状況で、何が正しいかもよくわからないし、自分のやっていることもレベルもわからなかったので、上司にお願いして参加させて頂きました。海外人事って何だろうというところから・・・「海外人事」という言葉が一般的かどうかもわからなかったんです(笑)。
実務経験が浅い中でのご参加は緊張しませんでしたか?
すごく緊張していたのですが、自己紹介の時に「人事のバックグラウンドが無いので色々教えてください」と伝えたので、おかしなことを言っても許してもらおうくらいに割り切って参加できました。また、1テーマ一つくらいは質問しようと思っていたので、しゃべりづらくて困ったという事は私自身はなかったです。それをやりやすくしてくださった方々がいて、オフの場でも人間関係をちゃんとつくって会を盛り上げていこうという方々がいらっしゃってありがたかったです。あと、私はある意味ちっぽけな、そんなことわざわざ聞く?というような質問をしたかもしれないのですが、それを見て他の人も「こういう事を聞いてもいいんだ」みたいに思われたかもしれませんね。参加する方がどれだけ困っているかにもよるかもしれませんが、私はすごく助かって、仕事そのものを続けていくモチベーションになりました。
海外人事研究会に参加してみていかがでしたか?
すごく良いです。他社さんに気軽に相談できる仕組みってあまりなくて、ざっくばらんに話をさせて頂けるところがすごくありがたいなと思って。
例えば組合から海外赴任者に関する要求があがってきたときにも、他社さんの情報をもとに回答できたり、ベンチマーキングがしやすい環境は研究会のつながりのおかげ。中国の税務やアメリカのビザの事など、社会情勢やトレンドを把握できることもありがたいかな。あとは例えばみなし確定申告までやっていますというような会社の事例を聞いて、自社でやるやらないは別にして考え方は人事として知っておくべきなのですが、自分たちの業務の中だけで勉強するのは難しいので、ヒントを頂いています。
また、インタラクティブに、「こういうところに困っています」とか「こういう事をうちはできてないです」とかっていうのをあまり恥じることなく、みんなお互い様っていう感じでお話ができるのも、運営の在り方としてはすごくありがたいです。
海外人事研究会の内容を実務に活かせた事例はありますか?
去年、フィリピンからの出向者の受け入れがあって、フィリピンと日本の社会保障協定の話などをこれから調べなきゃという時に、参加企業の方々が教えてくださったことがありました。わからないと後手後手になってしまうところを、何から手を付けたらいいのか、何に気をつけなきゃいけないのかも担当者だからこそ実際にやって困ったところを共有できるので、助かっています。逆に私もこの間ある参加企業様に(社外展開可能な)自社の資料を共有したんです。情報を取りに行くだけじゃなく、お互い様でやっていけて、何か聞きたい事が起きた時に、あの会社、ではなくて人の顔が思い浮かぶところがいいですね。
これから入会を検討されている方々にメッセージをお願いします。
各社の事情に応じて同業者としてコンサルテーションしあえることが一番大きいです。人事って答えのない世界の中でこれが自分たちにとってベストなんじゃないかという答えを探さないといけないですよね。学習をためていくという意味では、なんでそう考えるのかのプロセスとか、自分の会社はこうあってほしいという理想的な姿も頭の端に置きながら本質的な勉強をする機会なので、参加型で海外人事としての仕事のやり方や具体的な実務のまわし方を発展させていくイメージだときっとすごくいいんだろうなと。なんて言ったらいいんでしょうか・・・参加型開発(笑)?
人事は社内では批判も受けやすいのでクールに構えてしまいがちかもしれませんが、研究会の皆さんは「人事っていい仕事」っておっしゃって、一つ一つ従業員の悩みに向き合っている。こういう人たちと同じ領域で働いてるんだっていうのは励まされます。