AGAVE User Meetup 2024を開催しました
企業間の垣根を越えて、海外人事業務の課題と解決方法を共有する、という意図のもと開催されている本イベントは、2019年サークレイス社と共催で開催した「AGAVE User Meetup #2」から4年7ヶ月のブランクを経て開催に至りました。
3回目開催となった今回には、AGAVEをご利用いただいている企業の海外人事業務ご担当者の方々、23社41名にお集まりいただきました。
セミナーに先立ちまして、株式会社パソナ 執行役員 小林景子
による挨拶から本イベントを始めさせていただきました。
「コロナ禍が明けたことで各社の海外事業が加速し、駐在員の数も増加しています。これに伴い、国内外からの海外事業に関するご相談も多くいただいています。昨今はコロナ禍がもたらしたIT化により、DXやAIが急速に普及し、海外とのコミュニケーションも変化しつつある難しい状況です。このような中ではありますが、本日お話しいただく実際の活用事例、AGAVEの展望に触れていただき、よりAGAVEをご活用いただくことで、皆様の海外人事業務が円滑になるように望んでおります。」
1. AGAVE開発部部長によるセミナー
2024年3月に追加された「問い合わせ管理機能」のご紹介と、今後の展望
続いては、サークレイス株式会社 AGAVE事業部 AGAVE開発部部長 兼 AGAVECS部部長 佐藤真輝郎による、新機能の紹介と今後の展望について話して頂きました。
「AGAVEの今後のバージョンアップのテーマは、コミュニケーションに人が介在する状況の解決です。海外人事業務では登場人物が多く、広範囲かつ複雑な業務を担当するため、人と人とのコミュニケーションが業務負荷を増大させています。新機能『問い合わせ機能』とそのバージョンアップ、およびコミュニケーション基盤の進化は、AGAVEユーザーのコミュニケーション効率化と業務負荷軽減に繋がると考えています。」
どうやって解決するのか
2. AGAVE導入企業様3社とパネルディスカッション
導入の背景と、具体的な課題に対する活用事例、今後のAGAVEへの期待
次にパネラーとして3社のAGAVE導入企業様(日本通運株式会社様/株式会社クラレ様/三菱自動車工業株式会社様)と、ファシリテーター(株式会社パソナ 西本浩)よるパネルディスカッションを行いました。
左から
日本通運株式会社 人財戦略部 鈴木真哉様
株式会社クラレ グローバル人事センター モビリティグループ 高木良樹様
三菱自動車工業株式会社 人事本部 ビジネスパートナー人事部 海外人事グループ 一関和行様
以下、質疑応答形式でご紹介します。
Q.導入のきっかけ、経緯を教えてください
「海外引越部門から、赴任帰任の手続き、申請などがAGAVEを使うとすごく楽になると提案されたこと、そして将来的にAGAVE内で給与計算、給与・経費管理までできるようになると判断できたことが導入の理由です。」(鈴木様)
日本通運株式会社 鈴木真哉様
「2018年から外注していた海外人事業務には、二つの大きな課題がありました。一つは、海外赴任に関する情報が複数の媒体に分散していて管理が難しいこと。もう一つは、駐在員と関係各所が電話やメールでコミュニケーションを取ることでコストが高まっていたことです。これらの課題を解消し、業務効率化とペーパーレス化を実現するため、AGAVEという一元化された業務処理・情報プラットフォームを導入しました。」(一関様)
三菱自動車株式会社 一関和行様
Q.「株式会社クラレ様には『給与データ管理機能』、『経費精算システム』を導入いただいておりますが、高木様にこちらについてお話しいただけますでしょうか」
「『給与データ管理機能』の導入目的は、各国での個人所得税申告を適切かつ確実に行うための「個人別総支給額データベース」を整えることと、申告用データ作成の手間を減らし効率化することの二点でした。これまでは、各国からの異なる頻度やフォーマットでの情報提供要請への対応が煩雑でしたが、本機能の導入により改善され、申告漏れのリスクも低減できました。
また、経費精算システムについては、導入と同時に規程に基づく照査プロセスをパソナ様に外注したことで、申請から精算までスムーズに進めることができる仕組みを構築しました。パソナ様は規程の読み込みと理解を期待を上回るレベルで行ってくださっており、とても良いパートナーとなっています。」(高木様)
株式会社クラレ 高木良樹様
Q.実際にAGAVEを導入されて社内的にどのような効果があったのかを、また実際の駐在員の方々からの評判も合わせてお聞かせください。
「赴任帰任の手続きにおいて、『プロジェクト管理機能』を用いることで、誰が何をどこまでやったかを共有・可視化できる点が大きなメリットです。赴任者も自分で手続きを順序立ててチェックできるため安心感があり、非常に好評です。AGAVEを導入して良かったと実感しています。また、『給与計算機能』や『給与・経費管理機能』も業務の効率化に役立っています。」(鈴木様)
「当社はAGAVE導入時に、赴任中の社員からの問い合わせや申請、承認に関する業務を外部委託から内製に戻しました。その際、人員の増強をせずに既存の海外人事の中で対応できたことは、AGAVEによる業務効率化の大きな成果です。駐在員からの簡単な質問や問い合わせがほとんどなくなり、この点についても非常に高く評価しています。」(一関様)
「当社では前述の通り経費精算プロセスが大いに効率化されました。また、駐在員の経費精算においては日々色々なケースが発生しますが、AGAVE上に対応事例が蓄積されていくため、一貫性のある対応ができるようにもなりました。」(高木様)
Q.AGAVEには多様な機能がありますが、3社様とも全機能を利用しているわけではなく、課題に合う機能を選んでいます。現在使用していないが気になる機能や、利用中の機能についてのご要望をお聞かせください。
「当社の課題として、海外赴任社員の健康管理があります。最近、赴任前検診や定期健康診断の結果をAGAVEの『プロジェクト管理機能』で管理し、医師や保健指導員と連携しています。今後は『各種申請機能』と組み合わせて、さらに効率化を図りたいと考えています。また、『問い合わせ管理機能』により問い合わせ対応の負担軽減も期待しており、非常に好印象です。」(鈴木様)
「問い合わせ管理機能に非常に興味があります。駐在員から来た問い合わせが、そのままストックされれば、社内データベースに転記する手間がなくなりますし、検索する際にも同じようなカテゴリーの中から検索ができるようになると、かなりの業務効率化が望めるため、かゆいところに手が届く機能だなと感じております。」(一関様)
「当社では既に個人別の総支給額をAGAVEに取り込んでいますが、現地で納税した個人所得税額や還付額も追加で入力できるようになると良いと考えています。それが可能になれば、駐在員にかかっている総コストの可視化が容易になり、人事戦略や人員計画などへのデータ活用にも役立ちます。」(高木様)
時間が許す範囲でのディスカッションにはなりましたが、実務上の課題、悩みへの解決方法、そしてAGAVEまたBPOサービスの活用事例と、大変有意義なお話を頂戴いたしました。
鈴木様、高木様、一関様、西本様、ありがとうございました。
3. 交流会
盛んな意見交換と、垣根を超えた横の繋がり
パネルディスカッション終了後は、飲み物と食事が提供され、AGAVEユーザー間におけるカジュアルな交流会が行われました。
会場内各所で名刺交換、談笑する輪ができ、普段はあまり顔を合わさない海外人事の担当者同士で、非常に活発な意見交換、情報交換が行われている様子でした。
パネリストに詳しい話を伺う人も多く、1対1で海外人事について語り合うシーンもありました。
最後に
参加者皆様の情報へのアクティブさと、会場の和やかな雰囲気が調和した、非常に実りのあるイベントになりました。
このイベントで得られた情報、意見交換が今後皆様の日常業務のお役に立てたのであれば、AGAVE User Meetup運営事務局としても大変嬉しく思います。
今後もこのようなユーザーの方々に向けた共有の機会を実施してまいりますので
この記事をご覧になった方も、次回はぜひ気軽に足をお運びいただければ幸いです。