コベルコ建機株式会社 企画本部
人事労政部 人事グループ
荒川 基 様 インタビュー
荒川様のご経歴を教えてください。
2017年にコベルコ建機に入社、マーケティング部門を経て2018年7月に海外人事業務に着任しました。最初は主に駐在員の赴任帰任関連、2019年7月から本格的に駐在員の経費精算を担当し、2020年6月頃から現地の駐在員の税務・所得税関連も本格的に担当しています。
導入当時の御社の課題感はどのようなところだったのでしょうか?
当時は中国の給与精算や現地の所得税処理が、必要な書類が多くチェックにかなりの時間を取られていたので、働き方改革の一環で導入しました。また、人事と経理の協働で処理していたのですが、経理側の負荷があまりにも大きかったところにタイミングよく御社からご提案頂いたので、ワークフロー全体を変えていこうという判断をしたんです。中国を起点にして、同様のスキームでできるだけ横展開していこうという中で、経理業務の負荷を下げつつ徐々に業務の主体を人事に移していくというようなスキームを描いていました。
BPOサービスを導入頂いた効果はいかがでしょうか。
御社のBPOを入れたメリットを最大限に感じているのが、業務の標準化、平準化です。
それまで別のグループが個別に対応していて、国ごとの特有の事情もあったので業務がガラパゴス化していたんですね。個人がこういうやり方で今までずっとやっていたというものを、それが正しいやり方なのかどうかもわからないまま引き継いでいたのを一手にまとめていけました。特にこれまで経理部門が行っていた業務を人事に移管した事で、よりシンプルなフローに集約させていく事が出来たというのはかなり大きかったです。徐々にマニュアルの整備もできていって、今アシスタントが1名入って最終的に業務が僕の手から離れようとしています。この状況をつくりだすことができたのが一番メリットを感じているところですね。
あとは僕がいなくなった後に個別の質問を受けないように、次の担当者が全部対応できる体制にできれば、個人のミッションとしては100点満点かなと。
また、直ちに何かが変わったというわけではないのですが、今後の課題は見えやすくなっていると感じます。駐在関連費用の妥当性の区別をつけやすくなっている。地域特有の手当項目や、その総額も、いろんな情報を仕分けして、管理できるようになっている。
荒川様のお取り組みは、ご自身の工数削減だけではなくて組織全体の最適化まで視野を広げていらしたように感じます。
人事が今までやってこなかった仕事も確かに多少するようになりました。ただ駐在員管理という大きな視点で見れば、確実にやる事が少なくなっている、全体に見れば明らかにメリットがあった。かつ人事が駐在員関係の業務を掌握できるようになって、主体的にこれからの仕事をコントロールできるようになった。僕か、僕の次の人になりますが、そんなところのメリットも活用していきたいなと思います。
今後、御社の海外人事部門として取り組んでいきたい事は何でしょうか。
企業間の人件費負担割合のバランスをどう保たせていくか、といったところが課題です。
2020年のコロナの件で駐在員が緊急帰国しても、何とかなっている会社もありますよね。リモートでもコミュニケーションが取れるって本当にすごい事だなと個人的には思って。費用負担の話になれば駐在員ニーズの話には必ずなると思いますので、次は現地スタッフの教育という方にシフトしていければコベルコ建機のグローバル展開はちょっとずつ先のステップに進んでいくのではと思います。
荒川様ご自身の今後のキャリアとしてはどのようにお考えでしょうか。
ルール作りは大好きで、こうすれば構図がすっきりする、という仕組みを考えていくのが好きですね。この仕事の中で税法も勉強したので、今後は税金の部分から事業を検討していくような仕事にも興味を持っています。
今サービス導入を検討している海外人事担当者の方に対してのメッセージをお願いします。
海外人事研究会で他の参加者の方とご一緒させて頂いている時に思っていることですが、一人とか少人数でかなり多くの拠点を担当されていることがとても多いなと感じているんですね。当社もそうだと思うのですが、まだまだ海外人事という領域が発展途上にある会社において、他の事に時間を割く事ができるというのがどれほど貴重な事か、というのが御社のBPOを通じて日々痛感しているところです。より発展的に日本の会社をよくしていこう、自分の会社を海外で強い会社にしていきたいなと思われるのであれば任せられるものはどんどん任せてしまえばいいと思っています。